前日のAdMob推定収益が、直近14日平均に対して20〜40%下がっている。なのにプロダクト側で 分かりやすい変更はしていない。市場が動いたと決めつけたりサポートに問い合わせたりする前に、 知っておくべきことが一つあります。AdMobの急落は、ほぼ必ずどれか一つの内訳に集中しているということです。ブレンド値(全体の平均)が 落ちただけで、原因は特定の国・特定の広告ユニット・特定の広告ソースのいずれか一点で、 全部が同時に悪くなったわけではありません。
AdMobの収益は インプレッション × eCPM でしかありません。だから最初に決めるべきはどちらの要素が動いたかです。AdMobレポートで、推定収益・インプレッション・eCPMを 「前日 vs 14日平均」で横並びにします。インプレッションは維持なのにeCPMが落ちたなら、 価格・需要側の問題(下の3〜5番)。インプレッションが落ちたなら、配信・フィル側の問題 (1・2番とマッチ率)。どちらの半分かを先に知るだけで、見当違いの場所を探す20分が消えます。
その上で、次の5つの内訳をこの順で確認します。どれもAdMobレポートUIで軸を1つ切り替えるだけ、 各3〜5分です。
1. 国(Country)
収益を国別に分解し、前日 vs 14日平均で見ます。これが最も多く、かつ最も無害な原因です。低eCPM地域(ブラジル・インド・インドネシアなど)からの インプレッション比率が急増している――たいていは夜間にUAキャンペーンが安いインストールを 連れてきた――場合、どの市場も悪化していないのにブレンドeCPMだけが下がります。 Tier-1(米英日独)が1インプレあたり同じだけ稼いでいてもミックス内の比率が下がっただけなら、 広告側で直す問題ではなくUAミックスのシフトです。確認は国を固定してeCPMを見ること (例: 米国のみ)。米国eCPMが横ばいなら、その「下落」は価格でなくミックスです。
2. 広告ユニット(Ad unit)
軸を広告ユニットに切り替えます。下落が全ユニットに均等に効くことは稀です。 ある1つのリワード動画やインタースティシャルのユニットが下落のほぼ全部を占め、 バナーは横ばい――なら、範囲は一気に狭まります。ユニット単位でよくある原因は、 そのユニットで最近変えたフロア、直近のアプリ更新で入った頻度上限・配置変更、 あるいはそのユニットのメディエーション・チェーンが1ネットワークを失ったこと(次項)。 アプリのバージョンも合わせて確認します。下落の開始が新ビルドのロールアウトと ぴったり一致するなら、原因はAdMobでなくアプリ側です。
3. 広告ソース(メディエーション)
AdMobメディエーションを使っているなら、広告ソース別に分解します。eCPMの下落は、 均等に広がるよりも1〜2ネットワークに集中することのほうがはるかに多いです。 Meta Audience Networkや特定のビッダーが1フォーマットで50〜70%落ち、残りは横ばいなら、 そのソースが落ちています――APIキーの失効、そのネットワーク自身のダッシュボード上での 審査落ち・配信制限、アカウントや支払いの保留を確認します。検証法は、疑わしいソースを 1ユニットから一時的に外し、他のソースが旧eCPMでインプレッションを埋め戻すか見ること。 埋め戻すなら原因確定です――戻してそのネットワークに連絡します。
4. フォーマット(Format)
広告フォーマット別(リワード・インタースティシャル・バナー・ネイティブ)に分解します。 フォーマットは価格が大きく異なるので、どのフォーマットが配信されるかの変化が ブレンドeCPMを動かします。リワードのインプレッションが激減してバナーが増えていませんか? それはたいていアプリ側で配置やリワード設定が壊れたサイン――リワードは最高eCPMのフォーマット なので、各フォーマット自体のeCPMが不変でも、そのインプレッションを失うとブレンドを強く 引き下げます。これは収益問題の顔をしたアプリ/SDK問題です。
5. マッチ率(とポリシー/配信ステータス)
最後に、マッチ率(マッチしたリクエスト ÷ 広告リクエスト)と配信ステータスを見ます。 マッチ率の低下は、AdMobがリクエストは受けているのに埋められていない状態―― フロアが攻めすぎて需要から弾かれた、地域的な需要不足、あるいはアカウント/ポリシー上の措置が原因です。AdMobのポリシーセンターと広告配信のステータスを確認してください。 アプリへの広告制限(limited ads)や一部の措置はフィルを即座に削りますが、 エラーのバナーではなく「収益」で気づくため見落としがちです。市場のせいにする前に、 まずこれを除外すべき唯一の原因です。
結果の読み方
5つを順に歩けば、パターンに行き着きます。ミックスのシフト(国)――たいてい直す必要なし。1ユニット / 1ソース――設定かネットワークの故障で修復対象。フォーマットの崩壊――アプリ側のバグ。マッチ率の低下――フロアかポリシー措置。 丸一日を溶かす失敗は、ブレンド値だけを睨んで当てずっぽうをすることです。 ブレンドは警報、診断は必ず一つ下の内訳にあります。
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